2013年04月14日
モカの話 ~What is Mocha?~
こんにちは☆今日も降ってますね~、ここのところ梅雨のような気候が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
昨日(4月13日)は久しぶりに気持ちいのいい天気でしたね!土曜日だけあって向かいの公園も親子連れや子どもたちで夕方遅くまで賑わってました。
平和でしたね~
あまりに気持ち良かったので、お店の写真をたくさん撮りました
今日(4月14日)はあいにくの天気に戻ってしまいましたが、こんな雨の日にはゆっくりコーヒーのお話でもいかがですか?
お店に並んでいるコーヒーちゃんたちについては近々ちゃんとご紹介致しますが…
コーヒーといえばまずはこれ!「モカ」の話をしましょう。
~目次~
①モカとは?
②モカとコーヒーの歴史
③モカの現在
④コーヒーの代名詞~歌詞に現れるモカ~
⑤モカの味わいとコーヒーの「酸味」
⑥まとめ&次回予告
①モカとは?
「モカ」という言葉を聞いてみなさんは何をイメージしますか?
コーヒーのことをあまり知らなくてもモカという名前くらいは聞いたことがある、という人は多いかと思います。
ではそのモカとは何なのでしょうか。
チョコが入った甘いコーヒードリンク?コーヒー豆の種類?コーヒーの産地?
ある意味ではどれも正しいのですが…。今日はそんな知っているようで意外と知らないモカのことについて少し詳しく書いていきたいと思います!
まずは、下の地図を御覧ください。
「モカ」という地名があるのが分かるかと思います。ではこのモカ、一体どこにあるのでしょうか。
正解は…
アラビア半島の端、アフリカ大陸のエチオピアとは海峡を挟んですぐお隣に面した国です。
②モカとコーヒーの歴史
実はこのイエメンとエチオピアは、コーヒーの歴史を語る上では欠かすことのできない場所なんです。
人類がいつ頃コーヒーを飲み始めたのかはそんなによくわかっていませんが、コーヒーの起源に有名なとされている二つの伝説があります。
1.やぎ使いの少年カルディ(Kaldi)が赤い実を食べて興奮しているヤギを発見。その実がコーヒーの実だった、というお話
2.イスラムの修道者オマール(Umar)が冤罪で街を追われ、山の中で見つけた赤い実(コーヒーの実)を食べる/飲むとすごい効力があり、それを街に持って帰った、というお話
1.の舞台はエチオピアでカルディ少年の名は今ではいろんな喫茶店・カフェの名前や大手輸入食品店の名前にもなっていますね(最近沖縄にも来ましたね)。2.でオマールが追放され、戻ってきた街というのがイエメンのモカだとされています。
このようにエチオピア・イエメンはコーヒーの起源と深く関わりのある場所なのですね~。正確なところはわかりませんが、当時(現在でもほぼ)イスラム教圏だったアラビア半島・東アフリカのあの辺りからコーヒーが広まったのは確からしいです。
そして歴史的にもっと確実に言えること、それは、
ほぼすべてのコーヒーはこのモカから世界中へ出荷されていたということです。
はじめイスラム圏で消費されていたコーヒーがヨーロッパに広がり、やがてアメリカ大陸まで渡るわけですが、それまでモカはコーヒー産業の中心地だったわけです。
17世紀末のモカの様子
当時のモカ港の活気をうかがうことができます。
まとめると、「モカとは何か?」歴史的に言えば、それはコーヒー豆が出荷されていた港の名前、というのが第一の答えです!
コーヒーの歴史に関してはWikipediaにもページがありますが、http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%92%E3%83%BC%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2
もう少し詳しく知りたい方は例えば、
臼井隆一郎著 『コーヒーが廻り世界史が廻る』
マーク・ペンダーグラスト著 『コーヒーの歴史』
などが参考になるかと思います。どちらもさらっと読みこなせるものではないですが、その分、骨太な内容で、コーヒーという飲料がどれだけ世界史の中で重要な役割を果たしてきたかがわかるようになっています。
③モカの現在
現在のモカはかつてのようにコーヒー輸出の拠点としては機能はさすがに弱まっているようですが、エチオピアとイエメンで生産されるコーヒーは現在でもモカの名が付けられています。
有名なところで言うと、
<エチオピア>
モカ・シダモ
モカ・ハラー
モカ・イルガチェフェ
<イエメン>
モカ・マタリ
などがあります。
つまり、モカとは何か?に対するもう一つの解答として
エチオピア・イエメンで採れるコーヒーという答え方もあります。
④コーヒーの代名詞~歌詞に現れるモカ~
このように、コーヒーの中のコーヒー、コーヒーの王者として君臨するモカは、コーヒーの代名詞として、流行歌の中にも度々登場しています。
一番有名なのは西田佐知子『コーヒー・ルンバ』でしょうか。
井上陽水のカバーも有名なこの曲ですが、歌詞に「昔アラブの偉いお坊さんが~♪」とありますが、これはおそらく先に出てきたイスラムの僧オマールのことを言っているのでしょう。また、「モカマタリ」というフレーズも出てきますね!
他には霧島昇『一杯のコーヒーから』、石原裕次郎『モカの匂う街』などにも「モカ」が登場します。
なんだか昭和の香りも一緒にしてきましたね(笑)
こようにポップカルチャーの中にもモカということばが浸透して、いつの頃からか、モカ・ジャバとかモカ~というアレンジコーヒーの名前にも使われ始め、モカ=チョコフレーバーというイメージを持たれる方もいらっしゃるようです。
⑤モカの味わいとコーヒーの「酸味」
最後に、肝心のモカのお味のほうはどうなっているのか、ということを紹介したいと思います。
これほどまでに有名なモカですが、実は皆さんがコーヒーと言われて思い浮かぶ、「黒い」「苦い」というイメージとはややかけ離れた特徴を持っています。
Cantateではエチオピア産のモカを「クイーン・モカ」という名前で出させてもらっているのですが、豆はこんな感じです。。
一般的にモカは、苦味よりも酸味に特徴のあるコーヒーですので、その酸味を最大限に活かすためにやや浅煎りにしてあります。そのため見た目も黒というより琥珀色といった感じです。(そういえば『コーヒー・ルンバ』でも「琥珀色した飲み物」というフレーズが出てきますね♪)
よく「酸味が苦手」という方がいらっしゃいますが、モカの本来持っている酸味というのはとてもフルーティーで爽やかなもので、柑橘系やお花のようにうっとりする香りと共に素晴らしい風味を演出するものなのです。
これまでのコーヒー講座でお会いした方々やお客様のお話をうかがっていると、コーヒーの酸味が苦手という方が「酸味」ということばで意味しているのは、実は焙煎から時間が経ったコーヒーの劣化した酸味であることがほとんどだということはわかります。
こうした酸味は美味しくないことはもちろん、体にも良くありません。こうした劣化の酸味とは区別して、コーヒーが本来持っている心地良い酸味はアシディティ(acidity)と呼ばれています。
Cantateで提供しているクイーン・モカはこのアシディティが特に芳醇で、女王の名にふさわしい気品を持っています。
穏やかな朝にテラスに座り、霞がかった緑を見ながら優雅な一日をスタートさせる。。。そんな一杯として最高のコーヒーです
⑥まとめ&次回予告
モカとは何か?ということで長々と書いてきましたが、まとめると
1.かつてコーヒーが出荷されていた港の名前
2.エチオピア・イエメン産のコーヒーの名前
3.豊かな酸味が特徴
といったところでしょうか。
モカを知ることでコーヒーの様々な側面が見えてきましたね
もちろん、モカ以外のコーヒーもそれぞれ深い歴史と味わいがあります。
そこで次回はCantateで揃えているコーヒー豆たちをご紹介致します。
先ほどソムリエさんと一緒にテイスティングして、味わい・印象を表現してみました♪
乞うご期待!(金城)
昨日(4月13日)は久しぶりに気持ちいのいい天気でしたね!土曜日だけあって向かいの公園も親子連れや子どもたちで夕方遅くまで賑わってました。
平和でしたね~
あまりに気持ち良かったので、お店の写真をたくさん撮りました
テラスから公園を眺める
今日(4月14日)はあいにくの天気に戻ってしまいましたが、こんな雨の日にはゆっくりコーヒーのお話でもいかがですか?
お店に並んでいるコーヒーちゃんたちについては近々ちゃんとご紹介致しますが…
コーヒーといえばまずはこれ!「モカ」の話をしましょう。
~目次~
①モカとは?
②モカとコーヒーの歴史
③モカの現在
④コーヒーの代名詞~歌詞に現れるモカ~
⑤モカの味わいとコーヒーの「酸味」
⑥まとめ&次回予告
①モカとは?
「モカ」という言葉を聞いてみなさんは何をイメージしますか?
コーヒーのことをあまり知らなくてもモカという名前くらいは聞いたことがある、という人は多いかと思います。
ではそのモカとは何なのでしょうか。
チョコが入った甘いコーヒードリンク?コーヒー豆の種類?コーヒーの産地?
ある意味ではどれも正しいのですが…。今日はそんな知っているようで意外と知らないモカのことについて少し詳しく書いていきたいと思います!
まずは、下の地図を御覧ください。
「モカ」という地名があるのが分かるかと思います。ではこのモカ、一体どこにあるのでしょうか。
正解は…
イエメンでした!
アラビア半島の端、アフリカ大陸のエチオピアとは海峡を挟んですぐお隣に面した国です。
②モカとコーヒーの歴史
実はこのイエメンとエチオピアは、コーヒーの歴史を語る上では欠かすことのできない場所なんです。
人類がいつ頃コーヒーを飲み始めたのかはそんなによくわかっていませんが、コーヒーの起源に有名なとされている二つの伝説があります。
1.やぎ使いの少年カルディ(Kaldi)が赤い実を食べて興奮しているヤギを発見。その実がコーヒーの実だった、というお話
2.イスラムの修道者オマール(Umar)が冤罪で街を追われ、山の中で見つけた赤い実(コーヒーの実)を食べる/飲むとすごい効力があり、それを街に持って帰った、というお話
1.の舞台はエチオピアでカルディ少年の名は今ではいろんな喫茶店・カフェの名前や大手輸入食品店の名前にもなっていますね(最近沖縄にも来ましたね)。2.でオマールが追放され、戻ってきた街というのがイエメンのモカだとされています。
このようにエチオピア・イエメンはコーヒーの起源と深く関わりのある場所なのですね~。正確なところはわかりませんが、当時(現在でもほぼ)イスラム教圏だったアラビア半島・東アフリカのあの辺りからコーヒーが広まったのは確からしいです。
そして歴史的にもっと確実に言えること、それは、
ほぼすべてのコーヒーはこのモカから世界中へ出荷されていたということです。
はじめイスラム圏で消費されていたコーヒーがヨーロッパに広がり、やがてアメリカ大陸まで渡るわけですが、それまでモカはコーヒー産業の中心地だったわけです。
17世紀末のモカの様子
当時のモカ港の活気をうかがうことができます。
まとめると、「モカとは何か?」歴史的に言えば、それはコーヒー豆が出荷されていた港の名前、というのが第一の答えです!
コーヒーの歴史に関してはWikipediaにもページがありますが、http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%92%E3%83%BC%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2
もう少し詳しく知りたい方は例えば、
臼井隆一郎著 『コーヒーが廻り世界史が廻る』
マーク・ペンダーグラスト著 『コーヒーの歴史』
などが参考になるかと思います。どちらもさらっと読みこなせるものではないですが、その分、骨太な内容で、コーヒーという飲料がどれだけ世界史の中で重要な役割を果たしてきたかがわかるようになっています。
③モカの現在
現在のモカはかつてのようにコーヒー輸出の拠点としては機能はさすがに弱まっているようですが、エチオピアとイエメンで生産されるコーヒーは現在でもモカの名が付けられています。
有名なところで言うと、
<エチオピア>
モカ・シダモ
モカ・ハラー
モカ・イルガチェフェ
<イエメン>
モカ・マタリ
などがあります。
つまり、モカとは何か?に対するもう一つの解答として
エチオピア・イエメンで採れるコーヒーという答え方もあります。
④コーヒーの代名詞~歌詞に現れるモカ~
このように、コーヒーの中のコーヒー、コーヒーの王者として君臨するモカは、コーヒーの代名詞として、流行歌の中にも度々登場しています。
一番有名なのは西田佐知子『コーヒー・ルンバ』でしょうか。
井上陽水のカバーも有名なこの曲ですが、歌詞に「昔アラブの偉いお坊さんが~♪」とありますが、これはおそらく先に出てきたイスラムの僧オマールのことを言っているのでしょう。また、「モカマタリ」というフレーズも出てきますね!
他には霧島昇『一杯のコーヒーから』、石原裕次郎『モカの匂う街』などにも「モカ」が登場します。
なんだか昭和の香りも一緒にしてきましたね(笑)
こようにポップカルチャーの中にもモカということばが浸透して、いつの頃からか、モカ・ジャバとかモカ~というアレンジコーヒーの名前にも使われ始め、モカ=チョコフレーバーというイメージを持たれる方もいらっしゃるようです。
⑤モカの味わいとコーヒーの「酸味」
最後に、肝心のモカのお味のほうはどうなっているのか、ということを紹介したいと思います。
これほどまでに有名なモカですが、実は皆さんがコーヒーと言われて思い浮かぶ、「黒い」「苦い」というイメージとはややかけ離れた特徴を持っています。
Cantateではエチオピア産のモカを「クイーン・モカ」という名前で出させてもらっているのですが、豆はこんな感じです。。
一般的にモカは、苦味よりも酸味に特徴のあるコーヒーですので、その酸味を最大限に活かすためにやや浅煎りにしてあります。そのため見た目も黒というより琥珀色といった感じです。(そういえば『コーヒー・ルンバ』でも「琥珀色した飲み物」というフレーズが出てきますね♪)
よく「酸味が苦手」という方がいらっしゃいますが、モカの本来持っている酸味というのはとてもフルーティーで爽やかなもので、柑橘系やお花のようにうっとりする香りと共に素晴らしい風味を演出するものなのです。
これまでのコーヒー講座でお会いした方々やお客様のお話をうかがっていると、コーヒーの酸味が苦手という方が「酸味」ということばで意味しているのは、実は焙煎から時間が経ったコーヒーの劣化した酸味であることがほとんどだということはわかります。
こうした酸味は美味しくないことはもちろん、体にも良くありません。こうした劣化の酸味とは区別して、コーヒーが本来持っている心地良い酸味はアシディティ(acidity)と呼ばれています。
Cantateで提供しているクイーン・モカはこのアシディティが特に芳醇で、女王の名にふさわしい気品を持っています。
穏やかな朝にテラスに座り、霞がかった緑を見ながら優雅な一日をスタートさせる。。。そんな一杯として最高のコーヒーです
⑥まとめ&次回予告
モカとは何か?ということで長々と書いてきましたが、まとめると
1.かつてコーヒーが出荷されていた港の名前
2.エチオピア・イエメン産のコーヒーの名前
3.豊かな酸味が特徴
といったところでしょうか。
モカを知ることでコーヒーの様々な側面が見えてきましたね
もちろん、モカ以外のコーヒーもそれぞれ深い歴史と味わいがあります。
そこで次回はCantateで揃えているコーヒー豆たちをご紹介致します。
先ほどソムリエさんと一緒にテイスティングして、味わい・印象を表現してみました♪
乞うご期待!(金城)
この記事へのコメント
初めまして。MAX30と申します。
モカのお話、凄く面白かったです。深いですねコーヒー豆の歴史。普段は何気にのんでいますが、このような雑学知ってから飲むのとでは、世界観がちがいますね。
Café de Cantateさんのモカ飲んでみたくなりました!
モカのお話、凄く面白かったです。深いですねコーヒー豆の歴史。普段は何気にのんでいますが、このような雑学知ってから飲むのとでは、世界観がちがいますね。
Café de Cantateさんのモカ飲んでみたくなりました!
Posted by MAX30 at 2013年09月18日 11:26